ハイパーテキスト言論 テッド・ネルソン著より引用
文献のパラダイム
私たちの設計は文献という、今も役に立っている先例から示唆を受けた。書いたもの、たとえばタイプされた用紙がテーブルの上に一枚あるとしよう。これだけでは他と何の関係もないように見えるが、そうではない。それだけで独立しているかもしれないが、ある文献の一部かもしれないのだ。「文献」という言葉を用いたからといって、「文学」や革表紙の本のことをいっているのではない。「科学文献」とか、「文献にあたりましたか?」など、大学院で聞かれる決まり文句と同じく、広い意味がこめられている。文献とは「関連し合った著作物のシステム」である。これは私たちが定義したのではなく、発見済みの事実である。著作物はほとんどすべてが何らかの文献の一部である。この相互関連は、痕跡的なものを除けば紙の上には存在しないものである。人々はこの相互関連を見すごしがちだ。他人を見ても、その人を取り巻く社会や文化を見落とすように、個々の文書は目に入っても、文献としての見方を欠いてしまいがちなのである。人の読み書きのやり方は、この相互関連に強く基づいている。人は記事を読む時、こう自問する、「前にどこかで似たような記事を見たなぁ?あ、そうだ・・・」こうちて以前見た関連するものが想起される。
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我々が観るシステムとは何か。すべての事象はつながっているのだろうが、観れる範囲は絞られている。