• 本を読んで再考する

原丈人著より引用

現在は、すべての税制、会計基準、ガバナンスに関わる企業価値は、ROE(自己資本利益率)で測られています。ところが、すでに述べたように、資本を圧縮しさえすれば高い数値が出るROEは、そもそも歪んだモノサシなのです。(以下略)・・・・

そこで公益資本主義の理念に合致する新しい指標を導入する必要があります。私が代表を務めるアライアンス・フォーラム財団は、「ROC(Return on Company)という指標を斉唱しています。これは、社中への利益分配を公平に行うための指標です。ROEは「株主資本利益率」とも訳され、まさに「株主資本主義への企業の貢献度」を測る指標ですが、ROCは、「会社を支える社中全体への貢献度」を測る指標です。公益資本主義における「利益」は、従業員には「給与」「教育」「福祉」、株主には「配当」「株価上昇」、顧客には「安全性」「品質」、仕入先には「適正価格での購買」、地域社会には「貢献」、地球全体には「環境」、そして会社自身には「内部留保」という形で分配されます。このすべてが「社中」であり、「利益」を公正に分配すべき対象となります。

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ROCの指標が社会としてコンセンサスとなるかは別として、各種の重みづけにより、分配のメカニズムをつくることは可能と考えられる。


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